(詳細設定なし) ―――――――――っっ…… 声にならない声を上げてキョーコの背がグッとしなると、 ぱたり 蓮の背に縋っていた手がシーツの上に落ちた。 胸は激しく上下しているが、その目はぼんやりとして夢と現の間を彷徨っているようである。 「っつ…………う」 甘い余韻が引き止めようとするのを振り払い、蓮はキョーコからゆっくりと自身を引き抜いた。 とろりと、滑りを帯びる薄い皮膜を外す。 「敦賀さんを直に感じたいです」 以前彼女はそう言ったことがあった。 蓮自身もこんな皮膜越しでなく直にキョーコの熱を感じたい。 そう思っている。 思ってはいるのだが、今の二人にその行為はリスクが大きすぎた。 情熱の赴くまま流された果てに、キョーコが妊娠するという事態は蓮としてはどうしても避けたいのだ。 彼女の人生を背負う覚悟も自信もある。 だからといってキョーコの女優としての未来を閉ざしてしまうつもりは蓮にはない。 彼女はまだ10代なのだ。 これから様々な出会いと経験を経て成長していくであろう大事な時期を、早すぎる妊娠で潰させるわけにはいかない。 それにキョーコには不破との過去がある。 たとえそれが幼馴染の範疇を越えないものであったとしても、ゴシップ誌に面白おかしく書きたてられれば彼女の 人生に消えない傷痕を残してしまうかもしれない。 そんな事態はどうあっても避けなければならない。 それ故に、蓮はキョーコを抱く間でもどこかで己をセーブせざるをえなかった。 愛しい少女が自分の腕の中で乱れていく様を目の前にして己を抑えるという事は正直辛い。 それを数を重ねる事で何とか収めている連だったが、受け入れる側のキョーコとしては逆にたまったものではなかった。 今もまた射精したばかりだというのに蓮の芯には熱が籠もったままだった。 反対にキョーコの息はまだ整わず、ぐったりとシーツの波に身を委ねている。 その時、蓮の中にふとした好奇心が頭をもたげた。 手にしたゴムの皮膜に爪を立てる。 ぷつりと、小さな穴を通して濃い液体が滴り始める。 ……タ……ポタ…ポタ… 蓮はそのままキョーコの身体の上に白濁した液体を垂らしてキョーコを汚していく。 薄闇に浮かぶ熱くほてった肌にその白は映え、酷く艶かしく見えた。 中身を全てキョーコの身体に垂らしてしまうと塗りこめるように指に白濁を絡め身体の上を滑らせる。 このまま彼女の身体に俺の全てが沁み込んで消えなければいいのに…… 不破の中のキョーコへの気持ちは確実に変化している。 そしてビーグールのレイノとかいうキョーコを狙う男まで現れた。 これからも彼女はどんどん磨かれその輝きで人を魅了するだろう。 「まったく、敦賀蓮ともあろう者が…」 まだ現れもしないライバルにまで嫉妬している。 こんな日が来るなんて…… 「全部君のせいだぞ」 キョーコの肌の上を滑る指が脇腹をなで胸へと至る。 「…ん………」 くすぐたかったのか、ピクリとキョーコが反応を返す。 「敦賀…さん?」 何してるんですか?と目が問うてくる。 呼吸はもう落ち着いたようだ。 蓮は再びキョーコを組み敷くため彼女の上にのしかかると、 「マーキング」 と呟いてその鎖骨に歯を立てた。 End |